●泡盛って日本最古の蒸留酒!?
薩摩の島津家に残る記録によれば、泡盛は15世紀末にはすでに琉球で作られていたと推測され、泡盛の歴史が約600年という根拠になっています。
歴史研究家の東恩納寛淳氏が1933年にタイを訪れた際、現地のラオ・ロンという地酒が泡盛と同じ味だったことから、かつては泡盛のルーツはタイ説が一般でした。
しかし、1990年にアジア各国で行った調査で、中国に米を材料とした酒があり、泡を盛って酒の出来を評価する習慣や蒸留方法などから泡盛との類似性が見られたことで、中国・福建省ルート説が浮上。
中国と琉球の親しい外交の歴史からもその節は容易に推測できるとし、現在では東南アジアと福建の2つの道を通って琉球に蒸留酒製造の技術が伝わったと考えられています。
●泡盛ってどんなお酒?
泡盛の大きな特徴は次の4点といえます。
1. 原料にタイ米を使用する。
2. 黒麹菌を用いる。
3. 仕込みは1回だけの全麹仕込みである。
4. 単式蒸留機で蒸留する。
麹はお米や芋などの穀物でお酒をつくるとき、原料を糖化させるためにぜひ必要なものです。
日本酒には黄麹、焼酎は主に白麹が使われるのに対し、泡盛造りに使用される麹菌は、「黒麹」。泡盛の特徴はなんといってもこの「黒麹」を使うという点が挙げられます。
また、泡盛の原料には一部の銘柄を除き、インディカ種(細長い系統のお米)のタイ米が使用されています。これは昔からの伝統で、粘り気の強い日本のお米(ジャポニカ種)に比べ、硬質でさらさらしているため黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という特性があり、もちろん、香りや味わいに泡盛独特の風味を出す要因となっています。
こうして、原料のタイ米を、黒麹を使って米麹にし、それに水と酵母を加えてもろみにし、2週間ほどアルコール発酵させます。このシンプルな工程は「全麹仕込み」といわれ、泡盛独特のものです。泡盛以外の国内の焼酎はこの仕込みの工程を2度に分けて行います。これも泡盛の大きな特徴となっています。
さて、2週間ほど発酵させたもろみを蒸留させるといよいよ泡盛が出来上がります。このときに使われる蒸留機は「単式蒸留機」と定められています。単式蒸留機は、もろみに含まれる成分をほどよく蒸気に含ませるため、原料の風味をあますところなく蒸留酒に反映させるという特徴があります。
さらに、こうやってできる泡盛には、「古酒に育つ」という大きな魅力があることも忘れてはいけません。ウイスキーやブランデー、ワインなどにもビンテージ物はありますが、泡盛は、大切に管理していけば、100年、200年の古酒に、それも各ご家庭で、育てることができるのです。このようなお酒は、世界でもほとんど例をみません。第二次世界大戦で100年を超える古酒はほとんど失われてしまいましたが、戦後育てられた20年、30年といった古酒でも、その芳醇な味わいと甘い香りは、高く評価されています。泡盛のオリジナリティーとクオリティーの高さは、世界の名酒のひとつであると胸を張れるものなのです。
●よく言われる古酒ってなに?
平成27年8月1日より、琉球泡盛の「古酒」表示について、全量が泡盛を3年以上貯蔵したものに限って「古酒」表示されることになりました。
(※平成27年8月1日以前の詰口の商品につきましては、以前の基準で「古酒」表示されている場合がございます)
また、古酒年数をしっかり表記した泡盛の場合は、当該年数以上、貯蔵したものとなります。
具体例をあげると、5年、7年など、はっきりと年数が表記された泡盛古酒は、その全量が表示された年数以上熟成されたものではなくてはならないと規定されています。
5年古酒でしたら、その全量が5年熟成させた泡盛か、あるいは5年古酒にそれ以上の年数寝かせた古酒をブレンドしたものでなくてはなりません。ブレンドした場合、常に貯蔵した年数が若い泡盛の方の年数を表示しなくてはならないのです。例えば、20年古酒に少量でも3年古酒がブレンドされていれば、そのお酒は「3年」としか表記してはいけません。
一般酒に10%以上の古酒をブレンドする場合、「混和酒」あるいは「ブレンド酒」と表記できますが、この場合も、「古酒○%」と混合割合を表記しなくてはいけません。
古酒を選ぶときには、古酒年数が高ければ、それだけ素晴らしい泡盛古酒である可能性が高くなるわけですが、その風味は酒造所によって、またはブレンドによっても違います。お酒は嗜好品ですので、飲む人それぞれが好む味も千差万別。いろいろ飲み比べてみて、お好みの味を見つけてはいかがでしょう。
●古酒の保存方法は?
沖縄では古くから泡盛を貯蔵熟成する文化がありました。
樽に貯蔵され、樽からの香り成分をもらって熟成するウィスキーとは違い、泡盛はそれ自体に含まれる成分そのものが長期熟成されることで、物理的・科学的な変化を経て、香味成分などに変化し、まろやかで甘い香りを醸し出します。
さらに、瓶詰めされた後でも古酒化が進むのが泡盛の大きな特徴です。
泡盛には様々なアルコール類や脂肪酸(有機酸)、脂肪酸エステル、フェノール化合物などが含まれているため、バニラやキャラメル、チョコレートのような甘い香りから、リンゴや洋梨・オレンジなどの果実のようなフルーティな香り、バラやきのこ類のような香りとさまざまです。
一つの泡盛に幾つものアルコール類・有機酸類が含まれているため、その組み合わせも多様で、その数だけ香り豊かで味わい深い古酒になる可能性を秘めているとも言えます。
泡盛はただ寝かせていればいいわけではありません。
古酒の熟成した香りや芳醇さを保ちながら、酒を劣化させないようにする手法として、琉球王朝時代から伝わる「仕次ぎ」があります。
古い酒に比較的新しい酒を次々と注ぎ足すこの手法は、眠っていた古い酒を活性化させ、熟成を促す効果があるとされています。
【酒造メーカーやWikipediaから抜粋】
●瓶詰めされた泡盛が熟成しするのか試してみました!
それは、7年前にさかのぼり、普通に販売されている普通のお酒を購入し洋服ダンス奥に保管。
そのボトルを2017.11月に開栓。約7年熟成させた事になるので、7年古酒となっているはず!!
保管したボトルのラベルに詰口日:10.11.26と表記、瓶詰めされのが2010.11.26に行われた事になります。
Zumi工房で販売している、ダブルウォールグラス(2層グラス)で飲んでみた!
ん~~うまい! 甘味がでていて古酒になっていましたよ~\(^o^)/
●仕次ぎの方法(「仕次ぎ」とは:取り出した分だけ順次補充していくこと)
(まず、私の経験談)
我が家の3升甕から古酒をちょこちょこ飲んでいたら30%程減っていたため、その減った30%を若い古酒で補った結果失敗。甘味ととろみが無くなってしまいました。
後で知った話ですが、仕次ぎの量は全体の5~10%が望ましいとの事。
仕次の正しい方法が、(最も古いものから、1番の古酒、2番の古酒、3番の古酒、…と称する。)古酒を取り出すとき、1.まず一番のものを取り出してから、順に2番、3番…と補充していき熟成を待つという説が一般的であるが、2.「古酒を取り出す時には、まえもって補充しておいて、それからの事で、幾番もの古酒があれば、下から順々にくり上げていく、取ってから入れるのではなく入れてから取るのが古酒保存のコツ」(東恩納寛惇『古酒の話』とする説もある。
画像による泡盛古酒の「仕次ぎ」の流れ↓
以上です。